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変化したXperiaは「幅広いユーザーに受け入れられた」、ソニーが語る現状とは

 「Xperia 1 VII」の発売に先駆けてソニーは15日、東京都内でメディア向けに新モデルの体験会を開催した。新モデルの概要やXperiaの現況などについて語られた。

ソニー モバイルコミュニケーションズ事業部 事業部長 大島正昭氏

α・WALKMAN・BRAVIAの技術を結集

 Xperia 1 VIIは、ソニー製の新型Androidスマートフォン。6月上旬から順次、NTTドコモとKDDI、SIMフリーモデルとしてソニーストアなどでも発売される。

 新製品の特徴としては、大型化したセンサーを備える超広角カメラやソニーのポータブルオーディオプレーヤー「WALKMAN」で実績がある、金を添加した高音質はんだを使用したオーディオジャック、同じくテレビ「BRAVIA」の画質を再現したディスプレイなどを備える。

 カメラの機能面では、AIにより撮影体験を進化させた。映像の撮影中に、Xperiaのディスプレイを見ずとも、自動的に被写体を追尾する「オートフレーミング」機能を搭載。子どもの様子などを直接、自分の目で見ながらカメラで記録できるといった使い方ができる。また、被写体を中央に捉え続けてブレの少ない映像を撮影できる「AI カメラワーク」も備える。

左が「Xperia 1 VII」撮影、右が「Xperia 1 VI」撮影(縮小加工済み)。超広角レンズでの暗所撮影の性能が強化された

 カメラのほか、BRAVIAの画作りの再現やデジタル音源をハイレゾ相当にアップスケールする「DSEE Ultimate」などでもAIを活用しており「XPERIA Intelligence」として提案する。

 ほかに、背面に照度センサーを備え、屋外での撮影時にディスプレイが暗くならないなど使い勝手が改善されたほか、バッテリーの設定に「処理性能の効率化」の項目が追加。ブラウジング中やSNSなどの利用中の処理を最適化し、最大で10%の消費電力削減を実現した。

左=Xperia 1 VI。右=Xperia 1 VII
Xperia 1 VII
Xperia 1 V

販売数は増、Xperia 10新型は秋に発表

 ソニーマーケティング モバイルビジネス 執行役員 本部長の大澤斉氏によれば、前モデル「Xperia 1 VI」の売上は2023年発売の「Xperia 1 V」比で120%以上だったという。Xperia 1 VIは、それまでの特徴だったアスペクト比21:9のディスプレイの変更やカメラアプリの統合など、それまでの路線を大きく変えたが「幅広いユーザーに受け入れられた」と大澤氏は認識を示す。

ソニー プロダクトプランナー 北澤英里氏

 一方で、シェアの低下を指摘する声もある。大澤氏は、2024年度のシェアが2023年度比で下がっていることは認めつつも、旧モデルの販売も多かった2023年度に対して、2024年度は新モデルの販売にシフトできたことから、利益は改善したと説明。「シェアだけではなく利益と(販売の)数のバランスを見定めた結果、販売数も伸ばせた」と話した。

左からソニー北澤氏、同大島氏、ソニーマーケティング 大澤氏

 2024年は「Xperia 5」シリーズの新型投入が見送られたほか、今回も例年、Xperia 1シリーズと同時に発表されていた「Xperia 10」シリーズの新モデルがない。大島氏は「モバイルコミュニケーションズ事業の運営を効率化するため、商品サイクルや販路を見直している」と説明。Xperia 10シリーズの新型は今秋を目処に発表すると明かした。